URL: https://sdo.gsfc.nasa.gov/data/Memo: SDO衛星による取得画像。波長ごとに見れるため、太陽表面の概観がエネルギーごとにわかる。
現在の太陽表面だけにとどまらず、3-4日前までは必ず確認すべき。なぜなら、CMEは高速太陽風は太陽表面での事象から一般に3-4日遅れて地球に影響を及ぼすため。
また、1太陽周期前を見るのも大事(特に極小期付近)。
太陽の表面が1周期前と現在で近い模様をしている場合、1周期前に発生した事象を予報に活用できる(特にコロナホールによる高速太陽風)。
リンク先ページの左側一覧にある、AIA/HMI Browse Dataから画像や動画を探すとわかりやすい。
なおBrowse Dataから見る場合、解像度は1024より512のほうがおすすめ。(1024は上手く動かないことが多い。)
主なもの:
AIA 094 (green)-エネルギーがかなり高い。フレアの発生などがよく見える。また、チカチカ光ることもある(AIA 1600の説明参照)。
  フレアの発生の際は、黒点領域のどのあたり(黒点の南側か、北側かなど)で発生したかまで意識できると良い。発生領域が細かくわかると、磁場構造の確認の際の助けになる。
AIA 211 (purple)-greenよりはエネルギーが低い。コロナホールが見えやすい。AIA 211で黒い穴(点ではなくはっきりとわかる穴)があったらコロナホールの可能性。
  大きいコロナホールはより注視する必要がある。(大きいとは、地球から見た太陽表面直径の1/5くらいの直径を持ったホールを指すっぽい?)
  そこそこ小さくても、はっきりわかる黒い穴があったらコロナホールを疑ってみるのは大事。
  コロナホールから飛び出す高速太陽風は太陽半径方向に飛んでいく傾向がある。そのためコロナホールがあった場合、コロナホールが子午線にいる日時を認識すると良い。
  高速太陽風の速度は500km/s以上であることが多いため、コロナホールが子午線にいる日時から3-4日後に高速太陽風到来の可能性が高い。現在から3-4日前までの画像を確認するのが大事。
  また、より低緯度帯にいるコロナホールほど着目する必要がある。
AIA 171 (gold)-エネルギー的にはgreenとpurpleの間。一番メジャーらしい。
AIA 094、211、171あたりの波長帯の画像では、CMEが見えることがある。
  このあたりの波長帯で観測できるCMEは、コロナの放出を伴う。そのため、CMEが放出されるとき表面が暗くなる様に見える。(Dimmingと呼ばれる)
  (リム側だと吹き飛んでいく様子が見えることもある。)
  (CMEが どの波長帯で一番よく見えるかは、そのときのCMEの温度によって違う。335(blue)が一番良く見えるときもある。よく見える波長帯を探すのも大事。)
  ただし、SDOの画像だけでCMEを判断するのは早計。必ずSOHOのLASCOなどによるコロナグラフ画像で、宇宙空間にプラズマが飛んでいく様子を確認すること。
  また、CMEは地球に到来するまで数日かかる。そのため、CMEに関する判断をする際は、4日前までのSDO画像をちゃんと確認する。
AIA 304 (red)-彩層がよく見える波長。フィラメントが太陽表面から飛んでいく様子が綺麗に見えるので、CMEが発生したかを確認するのに使える。(フィラメントが飛んでいたら、CMEが伴っている。)
  CMEは常にコロナの放出とフィラメントの放出の両方を伴うわけではなく、片方のみのこともある。
  そのためCMEを確認したい場合は、上で述べたエネルギーが高い波長帯によるコロナの吹き飛びの確認と、AIA 304によるフィラメントの吹き飛びの確認の両方が大事。
  またフレアが出ていてもCMEを伴っていないこともあれば、フレアが出ていなくてもCMEが起きていることもある。よって、フレアイベントと関係なく確認するべき。
  もちろん、SOHOのLASCOなどによるコロナグラフデータの確認は必須。
AIA 1600 (yellow/green)-エネルギーが低め。彩層底部(光球上部)と遷移層が見える。たまに、チカチカすることがある。このチカチカは AIA 094などでも見える。
  チカチカはフレアによって起きるもの(遷移層の光を見ている)と、黒点の下から磁場が浮上して起きるもの(彩層底部(光球上部)の光を見ている)がある。(もちろん例外もある。)
  浮上磁場について: 黒点の下から浮上してきた磁場と、もともとの黒点が保持していた磁場がリコネクションを起こしてエネルギー開放を起こしている。
    比較的小さいエネルギー解放なので、フレアと呼ばれるほどではないが、磁場の浮上がフレアのトリガーになることがある。
    特にもともと大きい黒点に対して磁場が浮上してくると大きいフレアが生じることがあるため、磁場の浮上の確認は重要(=チカチカの確認は重要)。
    具体的には、「磁場浮上が頻繁に起きていて、それに伴い黒点の磁場構造も変化するなど活発な活動が見える。」といった検討が行える。
  ただしチカチカはフレアによって生じていることもあるので、チカチカの確認を行う際はフレアイベントとの突き合わせの際も同時に行う必要あり。
HMI Intensitygram-光球が見える。黒点がわかりやすい。
HMI Magnetogram-可視光による偏光観測。黒点の磁場構造が見える。この構造が複雑かつ大規模であるほど、大規模フレアが起きる傾向にある。
  特に黒点画像(HMI Intensitygram)と比較することで、黒点がδ型か否かの判断が可能。
HMI Colorized Magnetogram- Magnetogramのカラー版。モノクロは極性しか見えないが、カラー版は強度まで確認できる。
必ずしもどの波長かに拘る必要はなくて、現象が見やすいものを使うとよい。
波長ごとの画像のより詳しい説明はReference_URL参照
なおリンク先サイトの左側一覧にあるThe Sun Nowから見れる画像には、PFSSというバージョンがある。これは、Potential field source surfaceの略で、表面の磁場構造から太陽の磁場構造を推定したもの。
PFSSから何かを言うのはかなりの知識が必要なようで、予報ではあまり使われない模様。また、Potentialから計算しているので、重要なはずの自由エネルギーが無視されていることにも注意。
File_type: images
Purpose: Confirmation of solar surface activity, coronal holes, CMEs and others
ExampleValue: AIA 094's image is..., AIA 1700 image is...
Reference_URL: https://sdo.gsfc.nasa.gov/data/channels.php